第二回 オーバードライブ feat. ホンダS2000
型番:BT-12
所属:サイバトロン
地位:戦略家(元ダブルチェンジャー指揮官)
変形:スポーツカー(ホンダS2000)
声優:映像作品未登場
登場作品:トランスフォーマー バイナルテック


このオーバードライブというキャラクターは、バイナルテックとして復活してその名が知れ渡るまでは、多くのトランスフォーマーファンに馴染みの薄い存在だったかもしれません。
アニメ本編には登場せず、玩具の一般発売もなく、ポイントを集めて応募する事により通販購入できる一種のレアアイテムでした。国内では強いて言えばコミカライズ作品に一部その姿を見せていたのみで、知名度はあまり高いキャラではないというのが正直なところ。
それ故にバイナルテックでの大抜擢はファンの間にある種の衝撃が走りました。


復活前の彼はサイバトロンのダブルチェンジャー部隊のリーダーというポジション。
彼を含め、ダブルチェンジャーは追跡員ダウンシフトと偵察員カムシャフトの三人からなるチームでした。
彼らも他の多くのサイバトロン戦士同様、ロボットモードからカーモードへと変形する能力を持っていたわけですが、ダブルチェンジャーは第三のモードとして、カーモードからさらに武器や翼が内側からせり出し、戦闘機や装甲車といった彼ら独自の攻撃ビークルモードをとる事ができるのが特徴。
言うなれば旧版のトラックスがもっていたフライトモードと似たような姿を想像していただければわかりやすいかもしれません。

ただし、これらはあくまで2.5段変形とも言うべきもので、トリプルチェンジャーやトリプルボットのような、物の見事に全く異なる形態になってしまう三段変形(ロボット→スペースシャトル→機関車)に比べれば、失礼ながら文字通り『カーモードに毛の生えたような攻撃形態』と言わざるを得ない微妙な存在でした。
まぁ、しかし上には上が居るものでして、さらに六段階変形のシックスチェンジャーことシックス一族なる方々もいらっしゃいます。

バイナルテックで復活した新生オーバードライブでは、攻撃ビークルモードは残念ながら割愛されてしまいました。
これは商品展開上、他のバイナルテックトランスフォーマーの仕様に足並みを揃えたものだと想像できますが、物語上は、彼の為に使用される再生ボディの開発に関して、あくまで人道的支援という限定的な立場で携わったホンダとの契約事項に従って、車体への内臓火気の搭載が見送られたという説明がなされています。

ちなみにホンダは人型ロボット開発に一日の長があったメーカーだけに、最短期間でのボディの納品が実現できたというエピソードが添えられており、ニヤリとさせられてしまいますね。再生に使用されたオーバードライブ用ボディの他にも、複数のプロトタイプが存在しているようです。


そんなわけで、トリプルチェンジャー時代はセリカXX、サバンナRX-7といった国産車に変形していた他のメンバーとは異なり、ひとり超高級外車フェラーリBBのカーモードが自慢の彼でしたが、再生後は国産のホンダS2000にトランスフォームします。
クルマとしての査定額は恐らく相当下がってしまったかもしれない新生オーバードライブですが、S2000ボディもこれはこれで最高にカッコイイ。
現時点でバイナルテックにラインナップされているクルマの中では私はいちばん好きですね。


ちなみにアメリカでのバイナルテックはalternatorsというカテゴリーで販売されています。
ダイキャスト等の金属素材を使用した日本版とは異なり、どちらかといえば廉価版バイナルテック的な印象。
ただし発売が日本より早かったり、変形の際の塗膜の剥がれを気にせず遊べたり、バイナルテックには無いバリエーションなどがあることから、好んで輸入品を購入するマニアも少なくありません。
このalternators版ではオーバードライブではなくWindcharger名義で発売されています。
つまり旧作におけるチャージャーに相当するキャラクターとして扱われているのです。
かつてのチャージャーはミニボット部隊の戦闘員でTVシリーズでも活躍したサイバトロンですが、劇場版では哀れ死体でのみの登場と相成りました。赤いムスタングのビークルモードをもつ彼でしたが、alternatorsでの新型ムスタング枠は、それまで「恐竜」と「ランチア・ストラトス」だったグリムロックとホイルジャックにとって替わられてしまったようです。



実はこのオーバードライブ、バイナルテックシリーズ中でも屈指の完成度を誇るとの呼び声も高い製品でもあります。
既にシリーズ自体が二桁を数えるほどにラインナップを重ねた上での新設計商品でしたから、それまでの数々のノウハウが生かされ、ロボットおよびカーモードのさらなるプロポーション追求に加え、変形ギミックの難易度に関しても、すべてにおいて最もバランスのとれた1体だと思います。もしあなたがこれから初めてバイナルテックの購入を検討されているなら、まずは入門用としてオーバードライブをオススメします。
キャラクターに馴染みが無いのであまりピンと来ない・・・という意見もありますが、カーモードのカッコ良さだけで買ってしまっても損はないでしょう。たぶんこのバイナルテックをきっかけに愛着をもってもらえるものだと思います。


旧トイ販売当時、米国版のカタログに記載されていた『87年3月31日までにオーダーしなければ、彼らは別の宇宙での戦いに出発する』という煽り文句を受け、バイナルテックではダブルチェンジャー部隊をコンボイらサイバトロン本隊とは別行動で宇宙を駆けまわり活躍していた特殊部隊と位置づけ、TVシリーズ本編にて彼らがコンボイらと行動を共にしていなかった理由を説明しています。
ただし2003年の時点では彼も地球に身をおいていたようで、彼も他の地球のサイバトロンと共にコズミックルストの病に犯されてしまった模様。残り二人のダブルチェンジャーのメンバーに関しての安否はストーリー内で存在を語られていないため不明です。
オーバードライブは被害を受けたサイバトロンの中でも損傷が特に酷かったそうです。

そういえば、かねてからダウンシフトとカムシャフトは日本ではお互いの名前が取り違えて紹介されたりと酷い待遇でした。
仮にコズミックルストに感染してボロボロになっていたとして、みんなに忘れられてなければいいのですが。
もしかするとオーバードライブとは別の場所に居て無事だったんでしょうか。


それはさておき、ストーリーのなかでは、かつて宇宙を駆け巡っていた際、次元ワープ航法を繰り返し体験していたオーバードライブ。その存在が、これ以降急展開を遂げるバイナルテック世界にとって重要なファクターとして組み込まれている事に今後も要注目です。


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